ウォーターサーバーは英語では「ウォータークーラー」(water cooler)または「ウォーターディペンサー」(water dipenser)と言います。「ウォーターサーバー」(water server)では通じません。つまり和製英語ということです。

このウォーターサーバーは、アメリカが発祥で、1910年頃ロッキー山脈付近の飲料水不足を解消するという目的で作られたようです。当時は「ウォータークーラー」と呼ばれていました。

その後、日本では1980年代になってようやくウォーターサーバーが導入され始めました。
しかも現在のように広まっていったのは、2011年の東北大震災で備蓄品という方向で需要が高まってからです。つまりアメリカで最初にできてから100年後、しかも「英語では通じないような名前に変わって」です。どうしてでしょうか。

それは、日本は水の環境がいいことに大きな理由にあります。日本は河川や地下水が多く、水道の技術も高いので、水に関しては安心という意識が強かったからです。しかし戦後、高度成長期に入ると公害問題が起き、水の安全神話が崩れ出します。するとミネラルウォーターが売れるようになり、ウォーターサーバーへと発展していきます。

ところで、最初に英語で名付けられた「ウォータークーラー」だと、冷たい水だけの印象がありますが、日本で開発されていった商品は例外もありますが、お湯も出ます。そうなると「クーラー」という名ではふさわしくなくなってしまいます。
また「ディペンサー」という単語は、あまり日本人にはなじみがありません。

そこで、日本人にも比較的なじみの深い、「サーブ」という動詞の名詞形である「サーバー」ということばが使用されたのではないでしょうか。「サーブ」というとバレーボールなどでも馴染みがあり、「飲食物などを提供する」という意味もあるので、日本人にぴったりきたのではないかと思われます。